WAPPは、コンクリート構造物の水密性や気密性を評価するための試験機です。この装置は、コンクリートに水や空気がどれだけ透過しやすいかを示す透水係数と透気係数を測定します。特に注目すべきは、現場で構造物を傷つけることなく(非破壊試験)、様々な面の測定が可能である点です。測定された透過係数は、コンクリートの耐久性に直結する水セメント比や塩化物浸透深さとの関連性を評価するために重要であり、ダムや橋梁といった水の浸入が問題となる構造物の品質管理に活用されます。
加圧透水・透気試験機WAPPの概要 上記(株)エフティーエスカタログより抜粋
WAPP: コンクリート品質評価の探求
WAPPは、コンクリート構造物の施工現場で、透水係数と透気係数の両方を測定できる試験機です。これにより、コンクリートの水密性や気密性を評価することが可能になります。
WAPPは主に以下の項目を測定できます。
• 透水係数:コンクリートの水の透過しやすさを示す指標です。
• 透気係数:コンクリートの空気の透過しやすさを示す指標です。
主な利点は以下の通りです。
• 現場での測定が可能: コンクリート構造物の施工現場で直接検査が行えます。
• 水密性・耐水性の評価: 透水係数からコンクリートの水密性や耐水性、ひいては水セメント比の検査が可能です。
• 非破壊試験: 特殊なシール材を使用するため、構造物を傷つけることなく試験ができます。
• 多様な測定面: 構造物の上面、側面、下面など、どの面でも非破壊試験が可能です。
• 水密・気密の同時試験: 同一箇所で水密(透水)性と気密(透気)性の加圧試験が実現できます。
WAPPは、コンクリート構造物の品質管理において、水密性や気密性を確認するために利用されます。特に、水セメント比や塩化物浸透深さといったコンクリートの耐久性に関わる指標との関係を評価する際に役立ちます。
非破壊試験とは、試験対象物を壊したり傷つけたりすることなく、その内部の状態や特性を評価する試験方法です。WAPPは特殊なシール材を使用することで、コンクリート表面に穴を開けたり、コンクリートの一部を採取したりすることなく、透水性や透気性を測定できます。
測定された透水係数は、コンクリートの「水セメント比」および「塩化物浸透深さ」と関係があります。透水係数が小さいほど、水密性が高く、水セメント比が適切である可能性が高く、また塩化物イオンの浸透も抑制されると考えられます。
WAPPは本体表示装置を備えており、測定中のモニターイメージからリアルタイムで結果を確認できるようになっています。
主に、ダム、橋梁、トンネル、地下構造物、建物の基礎など、水密性や耐久性が求められるコンクリート構造物の施工現場での品質管理、検査、あるいは経年劣化診断といった場面での利用が想定されます。