A.P.Pテスターは、空気圧ピン貫入試験機の略称で、コンクリートの強度を非破壊で評価するための試験機です。特に、吹付けコンクリートの初期強度を評価する際に広く利用されています。
原理: 空気圧で特殊なピンをコンクリートに打ち込み、その際の貫入深さからコンクリートの強度を推定します。
特徴:
非破壊試験: コンクリートに穴を開けたり、サンプルを採取する必要がないため、構造物を傷つけることなく試験できます。
簡便性: 操作が簡単で、短時間で試験結果を得られます。
現場での試験: 現場で直接試験できるため、迅速な評価が可能です。
多様なコンクリートに対応: 吹付けコンクリートだけでなく、他の種類のコンクリートにも適用できます。
吹付けコンクリートの品質管理: 吹付けコンクリートの強度が設計値を満たしているか確認することで、構造物の安全性を確保します。
劣化診断: コンクリートの劣化状況を評価し、補修が必要か判断します。
研究開発: 新しいコンクリート材料の開発や、既存のコンクリートの耐久性向上に関する研究に利用されます。
迅速な評価: 短時間で試験結果を得られるため、工事の進捗を妨げません。
経済性: コア抜き試験など他の試験方法に比べて、費用を抑えることができます。
安全性: 非破壊試験のため、作業員の安全が確保されます。
精度: 他の試験方法に比べて精度は若干劣る場合があります。
経験依存: 試験結果の解釈には、ある程度の経験と知識が必要です。
A.P.Pテスターを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。
測定範囲: 試験したいコンクリートの強度範囲に適しているか。
精度: 求める精度はどの程度か。
操作性: 操作が簡単で、現場で使いやすいものを選びましょう。
耐久性: 現場で使用する場合は、耐久性が高いものを選びましょう。
A.P.Pテスターは、コンクリートの強度を迅速かつ簡便に評価できる便利な試験機です。特に、吹付けコンクリートの品質管理において重要な役割を果たしています。
A.P.P.テスター 試験ガイドと解説
A.P.P.テスター 試験ガイド
1. 概要と目的
A.P.P.テスターは、空気圧を利用して専用のピンをコンクリートに打ち込み、その貫入深さからコンクリートの初期強度を推定する試験機です。この試験は、吹き付けコンクリートの初期強度確認に用いられるプルアウト試験(JSCE-G 561-2010)の代替として設計されており、簡単な試験法であり、供試体を必要とせず、壁面に吹き付けられたコンクリートをその場で試験することができます。
2. 特長
• 試験結果に個人差が出ない: 空気圧による安定した貫入力のため、結果に個人差が生じません。定期的なキャリブレーションと機器検定により、機器の精度が維持されます。
• 原位置での試験が可能: 貫入方向が制限されないため、壁面に吹き付けられたコンクリートをその場で試験できます。
• 広範囲の強度推定が可能: 貫入抵抗の異なる2種類のピン(ピンAとピンB)を使用することで、0.1~26N/m²の広範囲の強度を推定できます。
• NEXCO試験法 726 2009に適合: NEXCO試験法に適合しており、多くの現場で使用されています。
3. 標準セット内容
A.P.P.テスターの標準セットには以下の品目が含まれます。
1. エアコンプレッサー(電源100V)
2. テストアンビル
3. キャリングケース
4. 取扱説明書
5. A.P.P.テスター本体
6. 保護メガネ
7. メンテナンスオイル
8. ポンチ06
9. デジタルデプスゲージ
10. デジタル圧力計
11. ピンA(100本/1箱)
12. ピンB(100本/1箱)
13. エアホース