現実の補修工事に向けた診断・補修計画を コンクリート診断士が、ひび割れ補修指針等の文献に基づいて行います。
ひび割れ調査
ひび割れの原因推定・評価
ひび割れの補修の要否
補修計画
コンクリート診断について
コンクリート診断とは、建物の構造材であるコンクリートの劣化状況を詳しく調べ、その安全性や耐久性を評価することです。特に、ひび割れや鉄筋の腐食など、構造物の寿命に影響を与える劣化現象を早期に発見し、適切な対策を講じるために実施されます。
1. 目視検査: ひび割れ、剥落、鉄筋の露出など、肉眼で確認できる劣化状況を調べます。
2. 非破壊検査:
打音検査: ハンマーなどでコンクリートを叩き、音の違いから内部の劣化状況を推定します。
超音波検査: 超音波をコンクリート内部に送り、反射波から内部の欠陥を検出します。
鉄筋かぶり試験: 鉄筋までの距離を測定し、かぶり厚が設計どおりであるかを確認します。→3D化・可視化
中性化深さ測定: コンクリートの表面から中性化が進行している深さを測定し、鉄筋の腐食状況を推定します。
コンクリートテストハンマーによる圧縮強度試験→シュミットLive
3. コア採取: コンクリートの一部を採取し、強度試験や成分分析を行います。
4. 評価・診断: 検査結果を総合的に評価し、構造物の安全性や耐久性を診断します。
5. 報告書作成: 診断結果をまとめ、今後の維持管理計画や補修計画などを提案します。
コンクリート診断でわかること
ひび割れの原因: 構造的な問題、施工不良、環境条件など、ひび割れの原因を特定します。
鉄筋の腐食状況: 鉄筋の腐食が進行しているかどうか、腐食の程度を評価します。
中性化の進行状況: コンクリートの中性化が進行しているかどうか、その深さを測定します。
耐久性の評価: 構造物の耐久性を評価し、今後の寿命を予測します。
コンクリート診断の対象となる建物
マンション棟コンクリート構造物: 老朽化が進むマンションの安全性評価
橋梁: 老朽化した橋梁の点検・診断
トンネル: コンクリート構造物の劣化状況の把握
港湾施設: 海水による腐食の影響評価
工業施設: 振動や化学物質の影響を受ける構造物の診断
ひび割れ補修指針に基づいて、調査を実施し、診断・補修の検討を行い、補修計画をサポートします。
各現場に応じた、形式の枠内で、出来る限り見やすい図面作成を目指します。
補修計画の作成について
補修計画は、建物や構造物の劣化部分を修復し、建物の寿命を延ばすために不可欠なものです。建物の状態や損傷の程度、予算などを総合的に考慮して、最適な補修方法やスケジュールを策定します。
補修計画を作成する目的
建物・構造物の寿命延長: 早期に劣化部分を補修することで、建物の寿命を延ばし、安全性を確保します。
維持管理費の削減: 大規模な修繕が必要になる前に、小さな損傷を補修することで、長期的に見てコストを抑えることができます。
資産価値の維持: 建物の状態を良好に保つことで、資産価値を維持することができます。
快適な居住環境: 雨漏りや断熱不良など、居住環境に影響を与える問題を解決し、快適な生活を送ることができます。
補修計画の作成手順
1. 現状調査: 建物の構造、材料、築年数などを確認します。ひび割れ、剥落、腐食などの劣化状況を詳細に調査します。構造計算や非破壊検査など、必要な調査を行います。
2. 原因分析: 劣化の原因を特定します。(経年劣化・老朽化、施工不良、環境条件など)
3. 補修方法の選定: 劣化の程度や原因に応じて、最適な補修方法を選択します。補修材料、工法、施工期間などを検討します。
4. 費用見積もり: 各補修工事に必要な費用を算出し、全体の予算を検討します。
5. スケジュール作成: 各補修工事のスケジュールを作成し、全体的な工期を決定します。
6. 報告書作成: 調査結果、補修計画、費用見積もりなどをまとめた報告書を作成します。